Skebで小説の挿絵を依頼してみたレポート~04:結局のところの使用感は?

 

レポート目次

01:はじめに&依頼の大筋
02:挿絵内容相談の詳細について
03:支払い方法としてプリペイドカードを使う事について
04:結局のところの使用感は?
オマケ:見積もり前の打ち合わせログ

 

【使用感は良い:シンプルかつ匿名なのが売り】

 今回は挿絵依頼の決済用ツールとして使用したため、Skeb本来の使い方とは違うものではあるのですが個人的には使用感は良かったです。今後も使う予定です。

 依頼者側は匿名で支払いも依頼も利用する事ができのが最大の売りだと思います。基本、クリエイターさん側有利な規約ですが本来の使い方は有料スケブのネット版のようなものなので、それは仕方ないというか当たり前の事かと。

 

【挿絵依頼には向いてない?】

 Skebを使う場合、「自分が依頼した絵とは違うかな~」という事でリテイクを依頼する事は基本的に出来ません。規約的にも小説挿絵は一応別途相談が必要です。

 商用利用なども考えてガッツリと依頼したい場合、他のサイトなり自分でクリエイターさんと連絡しあって銀行振込などをする方が良いと思います。

 ただ、私は今回のような場合はSkebでも十分に感じました。

 一番大きな理由は今回依頼したクリエイターのsachiさんが挿絵を描いていただきたい作品を読んでくださっていたので、「大まかなイメージは伝わりやすいはず」という信頼があったためです。私の場合はそういう理由が大きかったです。

 そのため一般的には挿絵依頼向けでは無いかもしれませんが、それでも挿絵依頼として使うのは不可能ではなく、依頼もお手軽で支払いも匿名で使えるという利点があるので、そういうところはオススメしたいです。

 

コスパ重視&リテイクしたい人には向かないサービス】

 ガッツリとリテイク有りの依頼をしたい場合、別のサービスを使ったりクリエイターさんと個別に連絡を取り合って銀行振込などで支払い対応するのがオススメです。銀行取引なら手数料もSkebよりは安くなります。

 ただ、個人間取引の場合は報酬未払い問題等が怖いので、クリエイターさんによっては避けられるかもしれない点は注意してください。

 お手軽さでは本当にSkebはオススメです。絵師さんへのお布施的な意味でも。

 Skebはお手軽な反面、欲しい絵を依頼するというより「好きな絵師さんを支援する」という面の方が強く、それはそれでクリエイターサイドにとっては大変有り難い事だと思うのですが、商業要素の強い依頼なら別のサービスを使ったりする事を検討するべきだと思います。

 

【手数料が高い?】

 Skebは基本手数料が13.6%かかります。これはクリエイターさんに支払われる報酬が差し引かれるため、人によってはこれが高いという意見もあります。

 私も正直に言うと「高い」と思いました。

 ただ、サイト運営のためにも色々と費用はかかります。クリエイターさん側が自分から望んでSkebに登録されているなら「一銭も届かないよりマシ」「描いてほしいものを描いてほしい人に描いてもらえる喜びがある」という事で今後も利用したいと考えています。何より匿名利用出来るのは両者にとって利点だと思います。

 他のイラスト依頼サイトだと手数料20%とかのところもあります。ちなみに一番手数料がかからないのは直接取引ですが、お手軽ではありません。

 

【創作業界のためにも普及していってほしい】

 本当に正直なところ、私は未だに手数料が高いかも……と思ってしまっています。恥ずかしながら、妥当な手数料だと断言できる知識が自分の中に無いんです。

 ただ、Skebのように「匿名で依頼と支援が出来るサイト」は「あったらいいなぁ」と思っていました。今後も使っていきたいですし、普及してほしいです。

 

 かなり個人的な話になるんですが、私は自営業に関わる仕事をしています。

 自営業だと依頼が来ない時期や、依頼が重なって全てはこなしきれない時期もあります。一年を通してまんべんなく依頼があれば……と思う事もあります。

 依頼をこなせば金銭収入が入り、食っていけます。人は霞を食っていきていく事は出来ず、生きるためにもエロ本を買うためにも金が必要です。

 

 クリエイターの方々も自営でやっていれば「常に依頼が途切れないぐらいほしい」「選り好み出来るぐらい沢山良い依頼が来て欲しい」と考えているはずです。

 会社ではなく、個人でも手軽に依頼を行えるシステムが――Skebのようなシステムが普及していけば、クリエイターさん達の収入機会が増えます。

 創作業界が儲かる仕組みが発達していけば新たにクリエイターになろうとする人だけではなく、作品の質も向上していく事になります。

 儲けようとする事を「悪いことだ」と言う人もいますが、儲かる仕組みを作るのは大事な事です。儲からないとバス路線が廃線となっていくように、今まであったもの事体が存在しない状態となってしまいます。

 創作は娯楽であり、水や食料ほどには絶対必要はものではありません。創作など遊びであって、それに対して金銭を要求するなどおかしいという考えもあります。

 ですが、「仕事」として存続させていくとなると儲かる事は非常に大事です。創作への愛情だけでは人は生きていけません。貧すると精神を病みます。

 報酬の未払いや減額もあると「ふざけんな」と言いたくなります。その点はSkebだと最初に報酬を供託するので、未払い問題が起こらなくなるというのがクリエイターさん側が利用する売りとなります

 

 私はクリエイターの方々に「儲かってほしい」と考えています。

 Skebが完璧なシステムだとは思っていないのですが、それでも絵を仕事に生きていくための一助となる可能性は十分に秘めていると思います。

 ですから、例えば企業様からの依頼をこなす傍らに出来るちょっとしたお仕事として発展していってくれればいいなと思っています。

 私は馬鹿なので手数料に関しては「高くね……?」とは思いましたが、Skebそのものがクリエイターさんが作られた一つの成果物です。サイトを運営していく事も「仕事」です。創作業界に限らず、儲かる事は大事です。

 利用してみて「匿名でお手軽で使えて便利だなぁ」と思いましたし、前述したような発展して欲しい願いも込めて、今後も利用させていただく予定です。

 好きなクリエイターさんに絵を描いていただける喜びもありますしね。本当に人間は愛だけでは生きていけないんです。私はお金大好きな浅ましい奴です。

 Skebは好きな絵師さんを支援するサイトとしての意味合いが強いと思うのですが、「支援しつつ小説の挿絵も欲しいなぁ」と私のように考えている人も多分いると思うので、その辺りの需要が少しでも掘り返せたらいいな、と思っています

 

【Skebに対して「今後こうなってほしいなぁ」と思う点】

①絵師さん達が自由に書けるプロフィール欄を作ってほしい

 どういう絵の依頼を受け付けてますよ~、という点がわかりやすいよう、プロフィール部分が充実してほしいなぁ、と思いました。多分その辺はアップデート予定でしょうけども。

 私は今回の挿絵依頼でsachiさんのイラスト集を見ながら「過去に描かれたコレと同じような絵が欲しいです~」と依頼したので、カタログ感覚で過去の絵が見れたら依頼する時に助かったりもします。

 過去作品に関しては個人サイトやpixivやツイッターのモーメントとかそういうところを見ればいい話ではありますが、そういう「過去作品を一番置いてるサイトがどこか?」が直ぐわかるようにURL貼れる欄があったらいいな、と。

 今回は描き込み具合に関しての話でsachiさんの過去作品に触れながら話をしたりしたのですが、過去作品でどういうものがあるかわかりやすいと「過去に描かれたスケッチみたいな画風でお願いします」と依頼したりしやすいと思います。

 個人的には今回のように挿絵を依頼した時、描いてくださった方のSkebページへのリンクとか貼りたいんですが、小説家になろうの規約上、「商業用の広告、宣伝又は勧誘を目的とするテキスト等の情報」を載せるのは基本的に駄目なので、SkebのページURLのとかはアウトになりそうです

 ツイッターやPixivなどの直接的に作品を売っているわけではなく、作品を展示している場所のURLは貼ったりできる(はず)なので、Skebのページだけではなくクリエイターさん個々人がネット公開している過去作品を集めたページとかあると助かったりします

 単にお金を払って絵を描いてもらうだけではなく、「こういう絵を描いたすごい人がいますよー」という誘導もできる事も応援に繋がるはずなので。多分、おそらく。

 

②期間設定を最大1年にしてほしい

 絵師さん側が暇な時に描いて少しでも収入の足しにして欲しいなー、と思っているのでリクエスト受付からの期間を1ヶ月以上に出来ると嬉しいです。絵は描いて欲しいですけどお布施感覚でもあるので、本業に支障きたしてほしくない。

 

③手数料差し引いてもキリの良い依頼料にしたい

 1000円支払ってもSkebへの手数料差し引くと半端な数字になるので、手数料を差し引いてもキリの良い依頼料になるような仕組みが何かあればいいな、と。

 手数料は今後、クライアントによって変動するようなのでクライアント側で電卓はじいて計算すればいいのかもしれませんが、何かこう……他にいい方法があればいいなぁと。

 

【最後に】

 好きな絵師さんがSkebに登録していて、挿絵に限らず「こういう絵が見たいなぁ」という想いがあればお試しで依頼してみてはいかがでしょうか?

 Skebは匿名での依頼も可能であり、絵師さん側もSkebに登録している以上は「条件さえ合えば依頼を受けたい」と考えられているはずです。

 心配ならまずは匿名で挿絵ではなく普通のイラストの依頼を行えば、金額に関しては絵師さんの方で判断していただけます。駄目なら駄目で断って貰えて、依頼料もキャンセルされれば返金されます。

 Skebは本来、絵師さん支援として考えられたシステムだと思うので、まずは気軽に利用してみる事をおすすめしたいです。それこそソシャゲでガチャを引く感覚で。