【ゴブリンスレイヤー】寒村から始めるゴブリン対策の考察

 ゴブリンスレイヤー、アニメ化おめでとうございます。

 小説8巻の感想を読書メーターに書いた時、「はぁ~、ゴブスレさんとこの王様って無能なのでは?(意訳)」とかのたまった上で「具体的なゴブリン対策の考えてみよう」と宣言したのでそれに関する記事です。

 ただ、緑の月Green Moonが浮かぶゴブスレ世界においては何をしようがGMの手のひらの上なので、大局的な事は何をしても無駄かもしれません。

 そのため私も本気で「うわっ! この王様、ゴブリンに対する意識がそこらの冒険者と同じで舐め腐ってる」「そこらの冒険者でも王様が務まるのでは??」などと思っているわけではありません。ホントです。

 大体、世界観的にしょうがない事なのはわかるのですが、そのうえでゴブスレさんのやっている「とりあえず目の前のゴブリンを殺す」という事ではなく、女神官ちゃんが8巻最後にチラリと考えていた「大きな視野でやるべき事」に関して考察して行こうと思います。

 まずは「ゴブリンの性能」について触れて行こうと思います。

 

「ゴブリンは雑魚」 ホントに雑魚なのか?

 ゴブリンはゴブリンスレイヤーに出てくる敵役の中で「雑魚」とされています。

 が、毎回のように単なる雑魚が出てくるだけだと物語としてメリハリが無い事もあってなのか、毎回のようにその強さについての描写が追加されていっています。

 作中に出てくる一般的な冒険者達は「ゴブリンは雑魚」と言っていますが、ゴブリンスレイヤーだけあってゴブリンがピックアップされ、読者はゴブリンに痛い目を見せられる者達を見ているだけに巻が進めば進むほど「一般的な冒険者」と「読者」のゴブリンに対する認識の差異が激しくなっているように思います。

 具体的に作中で描写されたゴブリンの性能と強みは下記のようなものです。

  • 人間の子供程度の力と知能なので単騎では弱い
  • 弱いからこそ討伐報奨金が低く、強い冒険者が討伐に行きづらい
  • 時折、力に優れた大型の個体も生まれる
  • 時折、術が使える個体もいる
  • 人型で武器を取り扱う事ができる
  • 力が弱いとはいえ投石や弓矢の飛び道具も扱える
  • 知能は低いとはいえ見張りや斥候を行うぐらいの頭はある
  • 知能は低いが毒を作ったり船を使う事はできる
  • 意思疎通するための言語がある
  • 狼を手懐け騎乗し、騎兵となる事もできる
  • 夜行性で暗視能力を持つ
  • 残忍で殺害を躊躇わない
  • 同種への仲間意識は薄く逃げる時は見捨てて逃げる
  • 同種同士で繁殖出来ないが人より優れた繁殖能力を持つ

 これが雑魚。ある意味、国家公認の雑魚でもある。

 人型で女性捕まえればサクサク増えて低いとはいえ知能がある時点で随分強い気がしますが、他と比較すると雑魚です。ゴブスレ世界、修羅の国すぎる……。

 幸い、そこそこに腕の立つ村人でも追い払う事は可能のようですし、ゴブスレさんが戦ってるようなどう見ても強いゴブリン集団は特例中の特例なのでしょう。

 

「税は払え。ゴブリンは冒険者が対処しろ」 村人はキレていいと思う

 ゴブスレ世界においてゴブリンは雑魚であり、冒険者が対応するのが常識。

 軍隊はいるものの、それらはゴブリンよりもっと危険な存在に対処する事になっています。いわばゴブリンは国家公認の雑魚です。

 この辺は仕方ない事だと思います。

 優秀な兵も国庫も限界がありますし、混沌の勢力が元気いっぱいであるらしい以上、王様と軍隊がゴブリンより他に対処せざるを得ないのは仕方がない事です。

 軍の手が足りない以上、必要に応じて雇える一種の傭兵である冒険者を統括するため冒険者ギルドを作り、さらに冒険者の質を上げるために訓練所も一応開設しているのは素晴らしい事だと思います。王様仕事してますね!

 ただ、わからないのが「ゴブリン対策の負担金」についてです。

 冒険者達はギルドで受注した依頼をこなし、それにより報酬を得ます。

 作中だとこの報酬は村が用意しているのですが、それはそれとして王様は税を取り立てています。個人的にはここがよくわからないのです。

 何でゴブリンに脅かされる村が金銭を二重に支払わされてるんですか。

 税金は取り立てるけど軍隊は派遣しないし、冒険者には自分達で報酬支払えって村人視点から考えると文句を言いたくなるような事をしていませんか? 仕事してください王様。

 もちろん、これは止むに止まれぬ事情がある筈なのです。

 例えば――

  • 村にも報酬支払わせるけどギルド(国)からも報酬上乗せするよ
  • 税金は街道の整備や他の危機への対処に使うから仕方ないんだよ
  • ホント余裕ないんだよ中世並みなんだよ
  • 税だけで満額負担出来ると思うなよ
  • 報酬支払うような村は税金ちゃんと収めてないだけ
  • 全部神様が悪い

 おそらくこういう理由があるのでしょう。

 実際、ゴブスレ1巻の後半ではギルドが報奨金用意してますし、「税金取るだけ取って仕事してねえな国家ァ!」って事は無いのです。税金だけで何とかなるようなら現代国家は借金などしないでしょうし、仕方ないのです。

 それはそれとして今までゴブリン被害の描写とか見てると王様に「いや、獰猛な笑みとか浮かべて竜でも狩りに行っちゃおうかな~、ゴブリンとか雑魚いし~とか思ってドヤってる場合じゃないんじゃないんですか」と言いたくなるんです。王様きらい、こいつちょっと意識変わるぐらい痛い目見ればいいのに……と思うぐらいに。

  民草はまた生えてきますが、ゴブスレさんのお姉さんは生えてこないんですよ

 色んな事情から対処しきれないのは理解できるので……もうちょっとこう、「ゴブリンは弱いが厄介だ」ぐらいの意識には変わってください王様、と言いたい。

 

やっぱり冒険者任せはあんまりなのでは?

 税を取り立てる以上、殆どの事を冒険者任せにするのはどうかと思うのです。

 そういう思考は現代の余裕ありきのものであり、世界観的にそういう考えは「世情を汲み取れていない」というものなのかもしれません。いえ、そうなのでしょう。

 ただ、作中で受付嬢さん達に「何とかしてくれー!」と必死に頼んでいた村人さん達の視点に立つと、何とかしてあげてほしいと思わずにはいられないのです。

 無い袖は振れないと思うので具体案の話にいきましょう。

 ただ、これから挙げる具体案は「机上の空論」であり、実現困難なものが多いと思います。それに神が実質的に支配する世界観的に、何をやっても無駄でゴブスレさんのように黙々とゴブリン退治してるのが最適解――とかなのかもしれません。

 それでも女神官ちゃんがチラチラ考えている「大きな視野でやること」について考えていきます。

 

【教導隊発足】金が無いなら自衛力を高める指導を行う

 ゴブスレ世界において国がゴブリンに対応出来ていないのは、他に対応すべき敵がいるためで、余裕さえあれば軍隊がゴブリンに対処する事もあり得るでしょう。

 ただ、軍隊内でその余裕を作り出すのがそもそも難しい。

 なら、村個別の対応能力を上げる方向で努力するのも一つの手だと思います。

 幸いと言うべきかゴブリンは一応雑魚であり、腕の立つ村人なら一匹二匹程度なら追い払う事は可能のようです。その自衛能力をさらに高めていきましょう。

 最初に行うべきは知識の共有です。

 ゴブスレさんはゴブリンに奪われてはいけないとメモを取る事を拒んだりはするものの、対処方法の体系化は大事です。ゴブスレさんが教え導くからこそ女神官ちゃん自身が自分の頭で考え、対応出来ていたりするように。

 知識を伝えるべき相手は村人達。

 知識を伝えるのは国軍が良いと思います。

 前提として「軍隊内にゴブリンに対応する余力がない」としていますが、とはいえ国が直接的に村を助けるための働きをしていなければ税を払う有り難みも失せると思います。有り難みを抱けるかどうかはともかく。

 各村の対処能力の向上を図って冒険者ギルドに回している分の予算を冒険者ではなく、国が直接関わる教え導くための軍隊、教導隊に回すのです。回せるかどうかはともかく。

 教導隊の仕事は大別すると以下の通りです。

  1. 各村のゴブリン以外も含む危機対処能力向上のための指導
  2. 国が直接動いてますよ~冒険者に丸投げじゃないですよ~というアピール

 

教導隊が実際に指導すべき事

 ここで言う教導隊が主にやるべき事は指導です。

 では、どういう事を指導していくかと言うと以下の通り。

ゴブリンの危険性を実際の事件を挙げて説く

  ゴブリンは雑魚、と侮るのは冒険者に見受けられやすい事だけで村人はそうでもないのかもしれませんが、「ゴブリンがどんな存在か」「どんな戦い方をするか」「村で暮らすうえでどう気をつければいいか」は説いていくべきだと思います。

 とはいえ、あまり小難しい話をしていても危機感を抱いてもらいづらいかもしれません。

 吟遊詩人が語る物語風味にゴブリンやその他に危機に対しての教訓話を語るといいかもしれません。娯楽に飢えた寒村であれば他の村で起きた悲劇であっても酒の肴になるでしょう。

巡回の必要性と方法について説く

 作中のゴブリン達は襲撃を行う際、斥候を出したりしています。

 あるいは村の近隣をうろついていたりすると足跡を残したりしているので、早め早めに対処できるように村の近隣ぐらいはよく巡回するよう説くべきでしょう。既にやっていて運悪く見つけられず、攻め滅ぼされた村も多そうですが。

 また、ゴブリンの巣になりそうな場所はよくチェックして貰うべきです。

 洞窟や古城があれば特に見張るべきでしょう。例えば洞窟の入り口を遠くから見張れるよう、洞窟周りの木を切り倒しておいたり、可能であれば巣に利用されてしまいそうなものはさっさと潰すという事を行うべきです。

 あるいは、あえて巣になりそうな場所を放置しましょう。

 巣になりそうな洞窟、あるいは以前、巣にされていた洞窟を放置しておき、「洞窟内の地図を作る」「洞窟内に隠し通路を作っておく」「松明を設置しておける台だけをゴブリンの手の届かない場所に作っておく」という事をします。

 そうしていざ、ゴブリンがそこに巣を作ったら事前に行っておいた「攻め落としやすくする準備」を利用して冒険者の人達に利用して貰うなどするのです。

 放置する洞窟としては岩盤が硬いところがいいかもしれません。

 ゴブリン達も自分達の都合の良い形に横穴を掘る可能性があるので、そういう事をしづらい洞窟なら空気穴を作られて燻し殺すという手も取りやすくなるでしょう。

 日々見張っておき、情報を収集し、派遣されてきた冒険者の人達に引き渡すのは大事です。

 冒険者が依頼を達成する成功率を高めるという事は、村人達が生き残る可能性にも繋がります。

 洞窟が占有された日数を計測し、洞窟内が掘られて改築されているとしたらこれほどの規模が予想されるといった情報。洞窟にどの程度のゴブリンが出入りしているか。どの程度の食料が運び込まれているかなどから内部にいる数を予想する。木を運び入れて何か作ったりしている様子は無いか。特殊な個体はいないか。弓矢や槍を持っているかなどの武装の有無。ゴブリン達がどの程度痩せ細っているか、といった情報を収集しましょう。

 情報は力です。

 まあ、どんだけガッチガチに対策しようが神様次第でそこらの村などボコーッとやられたり、どれだけ説いても村人がちゃんとしてくれるとは限りませんけどね。世知辛い世界観……。

 洞窟も塞いでも塞いでも、ロックイーターあたりが「よろしくニキーwwww皆のために洞窟作っといたでぇ!wwwwww」とかやるのかもしれませんね。

 村人達が色々と詰んでる気がしてなりませんが、言い出したらキリがないので話を進めます。

村の防備を固めさせる

 ゴブリン達は村を襲います。つまり攻城戦における攻め手です。

 防備さえしっかり固めておけば弱兵でも撃退しやすくなるでしょう。

 外伝イヤーワンで出てきた寒村など「攻め滅ぼしてください」と言わんばかりの防備です。夜警する以外にも、もっと、こう、危機感を……危機感を抱いてください。

 村全体を堅牢な防壁で覆うのは寂れた村では不可能でしょう。それならせめて食料庫といざという時、村人が逃げ込めてなおかつ余程大規模な群れや特殊な個体相手でなければ籠城できるぐらいの避難所(例えば石造りの)は作っておくべきです。 

 余裕があれば村の全周、あるいは畑などだけでも堀や木柵で覆ったりしてもいいかもしれません。それで100%の安全は確保出来たりはしないと思いますが、ごく少数のゴブリンに作物や家畜を盗まれるという被害を減らし相手を飢えさせられるかもしれません。

 幸い、ゴブリンは一匹だけでは力は子供並み、背丈も基本的には子供並みです。子供が破れない程度の仕掛けでもそこそこには機能するのでしょう。知能あるのが厄介ですが……。

 作物が取られやすいルート、村を一望出来る偵察にもってこいの場所などに罠を仕掛けるのも効果的でしょう。寒村がトラバサミを大量に用意するのは無理にしても、子供が引っかかる程度の落とし穴は作れるはずです。

 また、殺傷力や拘束力のない単なる糸や鳴子を設置しておいて近場にゴブリンが来ていたことが後でわかりやすくしておくのも手だと思います。

 残念ながらゴブリンだけが引っかかりやすい罠となると身体的な特徴としては難しいところですが、背丈的には落とし穴は人間以上に効果的なはずです。特に一匹、二匹程度が備え無く穴に落ちて出れなくなればなぶり殺しにしやすくなるでしょう。

 ただ、注意しておかないと人間の子供が罠で死ぬかもしれません。

 そこで平時は凶悪な罠は控え、ゴブリンやその他の危険が目撃された時には凶悪なものも仕掛け、子供を集めて大人しくしておいてもらうべきでしょう。深掘りの落とし穴は普段は板を置いて蓋をしておくとか。

  大きな群れが来たら防備を固めたところで寒村では抗えないでしょう。

 それでも少数の渡りなどを飢えさせる備えはするべきです。

戦闘技術の指導

 各村の自衛力を高めるとなると戦闘のための技術を高めるのも大事でしょう。

 それこそイングランドのように武装条例を定め、日頃からの訓練もさせたり。有事に動員する時にも多少なりには戦力として使えるはずです。……村人の幸福を先に説いてたのに動員に関して考えるのもちぐはぐ感ありますが。

 ただ、ゴブリンスレイヤー世界でそういう事を出来るかどうかという問題はありますよね。魔法とか怪物がいる世界なので、木っ端の農民兵などいても邪魔かもしれません。

 それでもゴブリンを含む比較的低度の危機に対するなら戦闘訓練を積ませておくべきかと。

  武器はゴブリンに奪われても使われづらいもの――例えばゴブリンの力では振るいづらい重いものがいいのかもしれませんが、やっぱり飛び道具が有用だと思うんですよね奪われても。

 ゴブリンスレイヤーの世界は火星じゃないですし、使う道具を縛って負けたら元も子もないですよ。奪われた事で苦戦してたりもしてますけども。

金策の伝授

 寒村は「貧しい」「冒険者への報酬用意できない」「ゴブリン来た」「滅んだ」という負の連鎖を引き起こしているので、村人達の生活が豊かになるのも大事です。

 これは村だけの話ではなく、村々から税を得ている国を富ませるための方策でもあります。豊かな国になれば国庫にも余裕ができ、ゴブリンに限らず色んな事に手が回ります。

 では、伝えるべき金策は何か。

 それは、ノーフォーク農法です!

 というのは半分冗談ですが育てやすく大量に取れる農作物があればそういうのを伝えるのが良いでしょう。閉鎖的な寒村に外部から豊かになる方法を伝えるのは大事です。

 他、農閑期などに暇を見て作れる工芸品なども推奨し、農業に限らず産業振興していくべきです。それこそ上杉鷹山笹野彫を勧めたように副業を持たせるのも良いかと。

 むしろ、戦いの準備よりもこういう事の方が大事なのかもしれません。

 現実における獣害がもっと酷くなったような世界で無ければ……。

 

「弱い」という強み

 ゴブリンの厄介なところの一つとして、「弱い」「雑魚である」という事があります。

 これはゴブリンの性能について触れた時にもチラッと書いたのですが、「弱いからこそ軍隊や腕利き冒険者ではなく、弱い冒険者が対応に当たる」という事が発生しています。

 ゴブリンを殺しても儲からない。これがゴブリンが幅をきかせる一因になっています。

 つまり報酬さえしっかりしていれば雑魚Vs雑魚なんて事をしなくて済むわけです。

 じゃあ沢山報酬を出そう、というのは無理な話です。ただでさえ「金がねえ」とかやってる国家なので無い袖は振れません。

 農業革命や産業革命が起こせればいいのかもしれませんが、それはもう賢し過ぎて「そんなので解決するのはゴブリンスレイヤーらしくないのでは?」という疑問がちらつく事になるでしょう。

 今回十分、「それゴブリンスレイヤーのやる事か?」って事に考察してますけども。

ゴブリンの首で免税を行う

 下手したら酷い愚策になるのですが、ゴブリンの首で免税するという手があります。

 ゴブリンの首を狩る=免税という利益を提示し、村人達にゴブリン対策を積極的に進めてもらうための動機づけをするのです。 

 免税したら税収が減りますがそこは冒険者ギルドを運営するなどのゴブリン対策費との相談です。「免税した方が対策費をかけずに済む」ぐらいの免税にします。

 つまり、ゴブリンの首があれば全額免税~なんて事は当然しないのです。

 ただ、これは本当に危険な愚策になりかねないものです。

 村人達がこれにより積極的にゴブリン狩りを行うようになった場合、返り討ちにある者も出てくるでしょう。それではもう木っ端の冒険者が死んでるのと大差ないことです。

 農作業ほっぽりだしてゴブリン狩りに精を出させず、かといってゴブリン対策に消極的にならない程度の免税設定となると中々に難しいと思います。

 冒険者がゴブリンを狩り、その首を免税額より安く村人に売り、村人がその首で免税を行うという事もやりかねないですし……。

 

最終的にはゴブリン対策部隊を作るべきでは?

 税を取り立てる以上、それが必要な事に使われないと大衆は文句を言うでしょう。

 もちろん、ゴブスレ世界において税は軍を整えたり街道整備したり諸々の「民のための政策」に使われているのは確かなはずです。

 ただ、一方で村人にとってドラゴンなどよりは身近な危機であるゴブリンへの対策は「冒険者がんばれ~」「冒険者しんだ」「次の冒険者がんばれ~」ってギルドは介しつつも半分ぐらいは丸投げにしてるのが現状なのでは無いでしょうか。

 そのため、可能であれば軍が直接ゴブリンも叩くべきだと思います。

 軍が直接出張ってくる事で村人達に「こういう事に税を使ってるんだよ~」とアピールしやすくなります。それが出来ないから苦しいんだよ! というのはわかるのですが、「国軍」と「国が仲介した冒険者」じゃどっちが「国が動いてくれている感が強いですか」と言いたいです。

 本当に、それをする余裕が無いから「仕方ない」世界観ではあるんですけどね。

 やっぱ冒険者なんていう無頼の輩に任せてちゃ駄目だと思うんですよ!

 国軍でもない荒くれ者が町中で武器持ってブラブラしていて、その辺で酒を飲んでたりしてたら道行く罪のない一般人をズバァと斬り殺す事件も発生しかねないんですよ!

 冒険者制度は危険なんです、将来的には廃止すべきなんです!

 とか何とか言ってる奴が書いてる話(異世界職業図鑑少年冒険者の生活)は「冒険者に丸投げ~」「国軍? そんなものはほぼない」というろくでもない世界観なんですけどね。ひどいブーメランだ。

仮にそんな部隊が作れるならば――

 少数でも良いので精鋭を揃え、「ゴブリンの中でも特に厄介なゴブリンの群れ」にブツける形で運用すればいいんじゃないでしょうか。

 進んでゴブリン狩りに行く精鋭揃えるのがそもそも難しいんですが、ゴブリンスレイヤーさんという丁度良い人がいるんですよ……コミュ障だけど……。

 対ゴブリン戦闘に優れているだけではなく、吟遊詩人の歌にもなり、その存在を喜ぶ一般人がいる以上(原作1巻のように)、対ゴブリン部隊の旗頭として実力面も名声面もちょうど良いと思うんですよね。

 どこにでも駆けつけやすい中心地に詰め所を作り、連絡用の狼煙台とかも普及させ、中心地から馬で一気に派遣するとか出来たら便利だと思うんですよね。単にゴブリン退治するだけではなく色々と。

 問題はゴブスレさんが御しづらそうなとこでしょうか。

 特に厄介なゴブリンに向かってほしいものの、「ゴブリンは皆殺しだ」とその辺に出た一匹、二匹程度のゴブリンも走っていって本格的にヤバイ集団への対処が遅れかねないかもしれないとことか……。

 

 ゴブスレさんはホント、もっと大局的な事を見据えてほしいです。

 世界観的に仕方がなく、狂ってるところもあってそういう面でも仕方ないのはわかるんです。でも、「ゴブリンスレイヤー」ではなく「一人の有能な戦士」としては「勿体無い!」と思わずにはいられないのです。

 それこそ、もし私がゴブスレ世界の直ぐ死ぬイキり冒険者だったら「ゴブリンスレイヤーってゴブリン皆殺しとか言ってるのに小規模な活動ばっかりじゃん」「人が一人で出来る事なんて限られるのに……」「ひょっとして自分だけがヒーローになりたいのか?」「いや、ゴブリンに犯された村娘が突き刺さるような性癖なのかね」とか言ってやっかみそうです(※この後ゴブリンに殺される